◎必要トルク・動力の算出方法(注記)本資料はSI単位系ではなく、従来単位系で示します。
1.プーリーでの巻上げ 2.電動台車の計算(平坦地の場合) 3.電動台車の計算(斜面の場合)
4.ベルトコンベアの駆動 5.送風機・ポンプの必要動力(参考.単位系の変換例)
2.電動台車の計算(平坦地の場合)
台車の駆動力の考え方は物体が面の上を滑る時に必要な駆動力F(kgf)と同じ考え方である。
左図の様に物体を面の上を滑らせる場合の必要な駆動力F(kgf)はF(kgf)=W(kg)×μで求められる。
実際に上図の様に物を滑らせる場合には、初期的に物が動き出す力と動き始めてからの力には若干の差がある。
これは静止摩擦係数μs(物が動き始める瞬間の摩擦係数)と動摩擦係数μd(物が動き始めてからの摩擦係数)に差がある為である。
一般的に静止摩擦係数>動摩擦係数の関係にある。
(潤滑材と言われる物はこの差が小さい。またこの差が大きい物はスティックスリップを起こしやすい傾向にある。)
台車を平面上を動かす為に必要な駆動力Fの場合は、上図の物体と面の間にコロをおいたと考えれば分かりやすくその場合は、上図の摩擦係数の代わりに転がり摩擦係数μを考えればよい。
摩擦係数μは一般的にどの位かと言うとブラシとコンミ間の摩擦係数で0.1〜0.2位であるが転がり摩擦係数は路面や駆動輪によって大きく事なる。(車輪で良好な路面の場合、約0.03)
例題
100kgの質量の物体を摩擦係数μ=0.2の面上を滑らせる場合の駆動力Fは?
F(kgf)=0.2×100(kg)=20(kgf)の駆動力が必要
100kgの質量の物体を転がり摩擦係数0.03の路面を動かす場合の駆動力Fは?
F(kgf)=0.03×100(kg)=3(kgf)の駆動力で動かす事が出来る。
自動車の場合の路面状況と転がり摩擦係数の関係は下記の如くである。
| 路 面 状 況 |
転がり摩擦係数 |
| 良好な平滑アスファルト舗装路 |
約0.01 |
| 良好な平滑コンクリート舗装路 |
約0.011 |
| 手入れの良い平坦な未舗装路 |
約0.04 |
| 手入れ不良の石の多い道路 |
約0.08〜 |
| 新しく砂利を敷いた道路 |
約0.12 |
| ゆるい砂地・粘土質の道路 |
約0.2〜0.3 |
| 出典:自動車をはかる(日本規格協会) |
また、鉄道車両の様な金属レールと金属車輪の場合は、上記値よりも一桁低くなり0.001〜0.005程度の値になるので駆動力は極端に低くなる。
@必要トルク
台車の場合は、上記必要駆動力が車軸に発生すれば良い事になるので下図の様に考えれば良い。
上記トルクが車軸を回転させる為に必要なトルクになる。実際は車軸をダイレクトに駆動せずに減速機やプーリーを用いる為にロスが生じる。この部分の効率をη(%)とすれば、必要なモータトルクは上記車軸トルクを減速比Gで割り、さらにその値をηで割ればよい。
必要モータトルクτm(kgf・cm)=τ(kgf・cm)/G×1/(η(%)×0.01)
A動力
車速V(km/h)を単位換算し(m/min)に直す。
V(m/min)=V(km/h)×(1000/60)=V(km/h)×16.67
車輪の外周長さL(m)を求める
L(m)=3.14×D(mm)×0.001
(mに換算)
車速V(km/h)を得るのに車軸を毎分当たり何回転、回転させれば良いかを計算する。
N(r/min)=V(m/min)/L(m)
上記結果から車軸を回す動力(W)は
Po(W)=1.027×τm(kgf・cm)×N(r/min)×0.01
減速機を介する場合は、減速機の効率ηgで上記Poを割ればモータ動力Pmが求まる